音符のような「つながり」をもとめて。

我が青春のビッグバンドの顔は「インサイド・ファンタジー」



グレン・ミラー・オーケストラの“ムーンライト・セレナーデ”でビッグバンドサウンドの魅力にのめり込み大学のビッグバンドに入部、ドラムで「スウィング・ジャズ」を演奏する。そのビッグバンドは國學院大學・音楽研究会『インサイド・ミュージック・オーケストラ』である。
バンドテーマは「バンドの顔」と言うが、我がバンドはオリジナル楽曲の『インサイド・ファンタジー』である。このリードトランペットで演奏されるテーマ曲はOBに聞いたのだが作曲者不詳と言うことだ。ただガーシュインの「セレナーデ・イン・ブルー」を参考に、と聞いた事がある。このバンドテーマが伝統に培われているバンドは演奏も巧いしサウンドも奇麗だ。またテーマを聞いただけでどこの大学のバンドであるかが判る。
紹介したい『インサイド・ファンタジー』のテーマ曲は、日本の誇るビッグバンド「宮間利之とニューハード」で長年に渡り、ピアノおよびチューニングマスターとして活躍、またその後「今城嘉信とザ・コンソレーション」のリーダーとして活躍してきた、今は亡き『今城嘉信さん』のアレンジである。布施明、桜田淳子、榊原郁恵、松田聖子らのバックバンドとしても活躍。今城嘉信さんとは筆者同期生が知り合ってから「インサイド・ミュージック・オーケストラ」の指導を仰いだ。時々バンドの練習に上高政通さん、青木武さん、国定正夫さんらの参加もあった。
『第77期卒業記念アルバム』には神道の大学らしく、雅楽楽器の「笙(しょう) · 篳篥(ひちりき)とコーラス、そしてインサイド・ミュージック・オーケストラで校歌アレンジを依頼しアルバム付録のソノシートに録音されアルバム制作が行われた。またオリジナル楽曲で神道哲学にのっとった“惟神の道 (かんながらのみち)”の楽曲提供もして貰った。この曲の演奏時はもちろん白装束白袴である(写真は東京・赤坂TBSホール)。
そして今城嘉信さんアレンジによる『インサイド・ファンタジー』は、“今城サウンド”を十分に発揮する演奏が出来ず、暫くの間旧譜面で演奏をしていた。NHKの短波放送の海外向け番組で学校紹介の取材依頼が有り、これを機に”今城サウンド”の新譜面で演奏。大学の体育館でNHKと一緒に録音した音源ですが「バンドの顔」の『インサイド・ファンタジー』をぜひ聴いください。バンド名の「インサイド・ミュージック」は、バンド演奏で必要な「心のハーモニー」を意味しています。また今城嘉信さんの譜面を元住吉ミュージック・フェスティバル音楽監督、伊津野忠里さんに写譜とパート譜の作成をお願いした。
写真の白装束白袴は、「コカ・コーラボトラーズ提供:大学対抗バンド合戦」と言うMCで始まるTBSラジオの番組で全日本の各大学のバンドが優勝を争っていました。司会進行は大橋巨泉(その後小島 一慶が担当)、審査委員は小島正雄、八城一夫、前田憲男、沢田俊吾、原信夫などの懐かしい面々です。この番組でインサイド・ミュージック・オーケストラは『審査員特別賞』を頂きました。また横浜での決勝戦前にインサイドが演奏し、慶応ライトミュージックソサエティーが優勝。ライトのメンバーから「演奏前にお祓いをしてくれたのでお陰様で優勝出来たよ、ありがとう。」のコメントを貰い、その頃のライトOBメンバーは現在「Swing Esquire Orchestra」として活動中です。
※当時の「宮間利之とニューハード」の在籍メンバーの方々です。
高見弘、中山進治(as)、 市原宏祐、前田章二(ts)、砂原俊三(bs)、羽鳥幸次、村田文治、藤崎邦夫、佐野健一(tp)、 片岡輝彦、上高政通、戸倉誠一、青木武(tb) 、山木幸三郎(g) 、今城嘉信(p)、 国定正夫(b)、 田畑貞一(ds)(※知り合った頃は石川昌(ds))
(國學院大學音楽研究会『インサイド・ミュージック・オーケストラ』OB / 塚田親一)